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非効率

僕達クローン病患者には「エレンタール」がある。
そんな風に考えていた時期が、僕にもありました。
バキネタ好きなんです、すみません。

エレンタールは味の素製薬から出ている経腸成分栄養剤と呼ばれる医薬品。
乱暴に言えば「コレさえ飲んでれば死なない」程に、様々な栄養素をカバーした飲み物。味の素お得意の「アミノ酸への分解」によってあらゆる栄養素を突っ込んで、飲み物にして摂ればいいじゃんっていう感じ。


またまた乱暴な説明をすると……
一般的には食事をした後、腸内で「消化」によってたんぱく質なりに分解された食べ物は、どんどん分解されていって最終的には「アミノ酸」になる。このアミノ酸が食べ物の最も細かい単位。そのようにイメージすれば良いと思う。
アミノ酸に分解されてはじめて腸が「吸収」を行う。分解できないものは「食物繊維」として通過していく(かといって不要という訳ではない)。
その後、吸収されたアミノ酸とかを、栄養として身体が活用していくというイメージ。

amino.jpg


じゃあ「最初からアミノ酸飲めばいいじゃん」ってのがエレンタール。

細かい所は色々間違っていると思うのだけれど大体こんなかんじ。
腸において「消化」は、分解するという「仕事」をすることになるので、腸にはある程度の負担がかかる。消化そのものはタダではできない。クローン病による炎症や潰瘍の発生はまだ確固たる原因が掴めていない。だからできるだけその「負担」を減らそうという一つの方法としてエレンタールが採用されている。

どうせ栄養を摂らねばならんのなら、より負担の少ない方法で。

これによって「あまり病状が出てこない期間」を延ばそうというのが日本でよく選択される治療方針なのである。
クローン病の患者は常人に比べて「消化せずに下から出す」率が妙に高い。トウモロコシを食った翌日の排便を覗いてみたら粒が浮いてましたなんて事は、普通の人にもあると思う。
それが、クローン病患者にとっては「あ、このワカメは昨日の味噌汁の分かな?」とか「かぁーっ! モヤシかぁーっ! っべぇ~わぁ~ 昨日のソース焼きそばについ安かったモヤシ入れすぎちまったかぁ~ っべぇ~わぁ~」とかって事が排便の度に起こる。
むしろ野菜は大体そのまま出てくる。多分あまり吸収できてないんだろうなと思う。

クローン病は個人差がとても大きいという特徴もあるので、結構大丈夫な人もいれば、便として出るどころか腸内出血まで引き起こしてしまう人など様々。
そんな出血してしまうような人ほど、このエレンタールはまさに「生きるか死ぬか」の飲み物として重要度を帯びてくるのだ。まさに「命の水」ってことになる。

僕は今、食事とエレンタールの割合をおよそ「5:5」にしている。
これを実現させるとなると、1日にエレンタールを900~1200ミリリットル摂取することになる。100ミリリットルを1時間のスピードが望ましい。これ以上早く飲むと下痢しちゃう恐れが高まるのだ。
なんで大体1000ミリリットルなのか。エレンタールは「1ミリリットル=1キロカロリー」として調整されているから。成人男性としては1日に1800~2100キロカロリー摂取できれば十分なので、およそ半分をカバーするとなると、こういった数値になるのだ。


消化の負担は無い」し……
栄養素は不足が無い」し……


家族に話をすると、特に母なんかはダイエットでも考えてるのか、とても「食事管理がしやすそう」で欲しいと言う。そう、普通に考えれば「とっても効率的な食事」なのだ。



クローン病について、僕の知り合いにとっては今更ながらの説明をここまで綴ったのは、その「最高効率」が「最幸」なのかと思うからに他ならない。
(寝ている間の接種法をガマンできれば)これほど効率的な事はなく、無駄がなく、バランスが良くて、負担が少ない、そんな食事でも「さあ、これで無敵だ!」と思う人はほとんどいないはずだ。

多少バランスが悪くても、決して最高の効率とは言えなくても、好きなものを食べ、咀嚼し味わい飲み込むことの喜びを、多くの人は選ぶのではないかと思う。

冷静に言ってしまえば<メカニズムとして>「食事」にはそういう効果があるだけだ、という見方もあるだろう。そういう風に身体ができているだけで、エレンタールはどっちみち「無理」をしていることになる、と。

僕はエレンタールを、なんとなくそういった事をぼんやり考えながら飲んでいる。最も効率的な「食事」を享受して、その効果に感謝しつつも、本当は100%「非効率な普通の食事」でまかなえるよう、治療を進めているのだ。
人間は間違いなく「非効率を選択する」場面が多い。それは色んな要素が、本当に様々な要素が絡まっているその中に、人間のからだという常に不完全なものを持っているからなのだと思う。そして「効率を求める」というのは、不完全さやあいまいさをそぎ落としていくという工程を持つ。

だから目的を持たねばならない。生きる為のエレンタールには違いない。その次にある目的「普通の食事を、気兼ねなくすること」を忘れていないかどうか。効率のその先に、目的が活きてくるのか、忘れてはならない。
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