スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マクドナルドの話をクローン病患者視点で

マクドナルドに「ジャンクフード販売」中止要請―ロナルドにも引退勧告
このニュースを読んで違和感を覚える人は多いのではないかと思う。
クローン病患者としては、食生活や食文化に敏感になるもので、それが治療方針にまで大きく影響を与えるという側面からも「納得できる話ではある」と思ったりする。

以下に、クローン病患者としてのイチ視点を綴ろうと思う。


このニュースを流し読みすると…

専門家
「マクドナルドの食い物は身体に悪ィから(子供に)売るんじゃねえ」

以前にも「マクドナルド食いすぎて身体壊したから訴える」というようなニュースが話題になった事があったと思う。マクドナルドだけなのかどうかは知らないが、食中毒とは違って「食いすぎたから」という理由は一応明示している。

率直に言うと「自業自得じゃん!」 僕はそう思った。

このニュースを読んだ多くの人は「自己責任だろ」「自業自得だ」と思ったのではないだろうか。食事とは基本的に自由であり、自ら選択して、それによって生ずる身体のリスクは自分で管理するもの。また、子供へは食育を通じて自己管理のチカラをつけていくというのが「日本の常識」とされるのではないかと思う。

整理すると……
 ○食事は可能な限り自由である
 ○食事の知識について教育が実施されている
 ○食事のリスクは自ら招くものである

従って……
 「自分の食事によって身体を壊したのなら、それは自分が悪い

こんな流れだろうか。
だからこのニュースは「違和感がある」のだと思う。
何せ、多くの日本人が考えるまでもないものとして思う事を、アメリカの専門家達が大手を振って訴えているという状況があるからだ。ここでワケのわからない誰かが叫んでるだけでは、違和感の前に誰も気にしないだろう。




ではここで、クローン病の治療方針に関する一つの話をしてみたい。
以前のエントリーでクローン病の概要と治療について書いた事があるけれども、改めて簡単に紹介しようと思う。クローン病は「特定難病疾患」に指定されている消化器官の珍しい病気。

簡単に言えば「食事をする事で大腸や小腸等に炎症・出血・狭窄が発生する恐れのある病気」である。その病変部位が消化器官のあらゆる箇所に発生する可能性を持ち、飛び飛びの位置になる事もあるという特徴を持つ。

食事によって腸に到達した食べ物は「消化」される。アミノ酸まで細かく刻むような行為が「消化」だと思えば判りやすいと思う。アミノ酸まで分解された食べ物は、アミノ酸になってようやく腸に「吸収」される。これによって食べ物を栄養として身体が利用できるようになる。

しかしクローン病患者はこの「消化」が不十分のままになってしまったり、速度が遅かったりする。これによって消化不十分の下痢を引き起こしたりする。また更に性質の悪い事に、腸が「アミノ酸まで分解されていない食べ物」をムリヤリ吸収してしまう事がある。
身体は「異物に反応してやっつけようとする」構造を持つ。消化不十分な食べ物を吸収した腸の部位に、その「抵抗力」が強く反応してしまう。これによって酷い時には炎症・出血・狭窄といった結果になってしまう。

クローン病が特定難病疾患に指定されている一つの理由として「原因不明」がある。
上記の説明は紹介の為に正しくない部分がある事を明記しておく。
僕も研究者ではないので、厳密に「どこが原因不明なのか」までは理解していない。
抵抗力の反応の強さが原因不明なのか、消化が下手糞なのが何故なのかが分からないとか、そこらへんがどうなっているのかは厳密に分からない。このあたりはご理解頂ければと思う。




では、こういった病気に対する治療はどうしたら良いのだろうか。

○食事したら悪くなるなら、食事しない
○消化がしにくいなら、消化しなくても良いものを摂る
○免疫力が強いなら、免疫力を抑える

パッと思いつく感じこんなところが並ぶだろう。
病状が悪化して、腸の炎症や出血が酷すぎる状態ならば、外科手術の必要もあるかもしれない。
しかし、外科手術は根本治療ではないから、やはり上記の「生活上の対処」を考えねばならない事になるのだ。

日本で多くの患者が採用している治療方針は……
栄養剤を導入して、食事量を調節していく」というもの。

この栄養剤は「エレンタール」が採用される事が多い。生きる為に必要な殆どの栄養素が、はじめからアミノ酸の状態にされているような飲み物である。ぶっちゃけ、これさえ飲んでいればマジで生きていけるという代物だが、薬物というよりは栄養剤なので大きな副作用はない。むしろ、消化が不要な分、腸への負担が大きく低減されるので、炎症や出血のリスクを低くしたまま栄養を確保できるというものなのだ。

しかし、薬物的な副作用もなく、栄養も低い負担で摂れるが、その分「食事の楽しみ」は大幅に削られてしまう。難病なんだから四の五の言わない! 病状に合わせて食事も合わせていけるのだから良いではないか! これが日本の医療が示す「QOL(クオリティ・オブ・ライフ)」である
もちろん、患者としてもほとんど「そうですよね」って感じで納得して従っている(と思う)。


日本の食事は質がとても良い。おいしいし、安全性も高いとされている。
しかし、日本人そのものを見ると決して「食事を重視している訳ではない」事がわかる。ダイエットしかり、健康の為に食事をガマンしたり、そういうことを多くの人がしているのがまさにそれである。
全体を一括するつもりはないが、日本人は「質の高い食事を得られる環境にいるだけ」であって食事を重視する民族という訳ではないのだと思う。
(質の高い食事を得られるまでの、多くの人の努力を見下すわけではありません。これからあえてアメリカとの対比をする為にハイライトさせて頂いた表現となります。)

だからこそ、クローン病における「食事をある程度排する」という選択肢が受け入れられるのだ。


一方、米国ではクローン病への治療方針が日本とは異なるという。
これは入院中に医者から聞いただけの話だけれど、紹介したい。

米国のクローン病治療では「エレンタールを導入して食事をガマンする」という方法を取らずに「なんとか通常の食事を維持できるように、強い薬物も使っていく」という治療方針が多いのだそうだ。
日本の患者からすれば、この話を聞くだけで戦々恐々とさせられる。何せ「食ったら入院が近づく!」と恐ろしくなっていたりするのが日本クローン病患者なので(偏見アリ)、アメリカのこの治療方針はちょっと想像がつかない。
もちろん、日本人患者だって可能なら好きなものをガッツリ食べたいし、その為の努力を惜しまないという人もいるだろう。(実際僕は、ラーメンを食べる為に何週間も質素に生活して体調を整えたりする訳だ)

しかし、それでも日本は「日常生活>食事」である事に変わりは無い。まず「安定した状態を長く続ける=QOLへ直結」するのである。
対して米国は「食べるという日常<治療リスク」なのだ。「自由な食事を楽しめる=QOLに直結する」という事なのだろう。

もちろんお互いに反対の考えを持つ患者は多数居るだろうし、どちらが最善手なのかは答えが付けられない部分ではあると思う。米国人でもエレンタールを気に入ってしまったという話は聞くし、日本人でも「不良患者」は一杯いるのだ。


そういう現状はひとまず置いといて、大まかに日本と米国の「食に関する考え方」の違いが見えてくると思う。「食文化が難病の治療方針にまで影響する」のが(聞いた話の上では)事実であって、やはり多くの人がそれに従って無理が起こらないと言うのなら、今回の「マクドナルドのニュース」について少しは見方が変わってもおかしくはないだろう。




米国でマクドナルドがどの程度の影響力を持つのかは分からない。しかし米国の食文化に対する優先度はとても高い所に位置するんだなと思わされる話である。クローン病の治療方針からも、確かにそうなのかもしれないと思う。
であるならば日本のように「食事は自己責任」という感覚には、必ずしもなっていないというのが米国ではないかって事が考えられる。食事の質はどうあれ「食べる事」に、国民性として重視する場合、食の提供者へ求める「責任の大きさ」は確かに変化するだろう。

すげえ単純に言えば「俺達はガマンできないんだから、その辺分かってんなら対策しろよ!」っていうある意味ジャイアニズムだよなと思うけれども、彼等にとっての「幸福」ならば、確かにそれも仕方ないのかなと思う。(同意はしないけど)


最初にニュースを読んだとき「アメリカ人は随分自分を棚に上げるんだなあ」と思ったけれども、自分のクローン病の事を考えたとき、ちょっとこの考えを改めるべきだなと思った次第である。
ただ「自分達を棚に上げている」のではなく、食事は外せないからこそ「社会として更に上を目指していけ」という意識が働いているのだと思ったのだ。








<以下蛇足>

実は今回のエントリーは最初から話が脱線してまして…
「子供への」ジャンクフードをやめろ!っていうニュースなんですよね。

なぜマクドナルドが槍玉に上がったのかは明確には分かりませんが…
実はクローン病でも似たようなアプローチで治療方針を提案している所があるんです。
といっても「販売をやめろ」という訳ではありません。

5年前僕が回盲部(大腸と小腸の繋ぎ目、盲腸があるところ)切除の手術で入院していた時に聞いた話です。慈恵医大系のクローン病研究をなさっている内科医さんでした。

クローン病には「油」を抜きに語れない、というものでした。
未だ原因は不明であるものの、ある種の「油」によって引き起こされたと考えられる病気がいくつかあると言うのです。アトピーだとかもそうだと言っていました。
家庭で使われている「サラダ油」や「マーガリン」が、腸などの炎症を引き起こすタイプの油であり、あまり身体には良くないというお話でした。
マーガリンなどは最近ようやく話題になったかと思いますが、これには色々とエピソードがあったとの事なのです。


今「植物油」と言えば、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
恐らく「健康」「安心」といったイメージがあるのではないでしょうか?

大雑把に油を分けると以下になります。

 ○植物油といわれるもの
 ○動物油といわれるもの
 ○魚の油と分類されるもの

本来は更に細かい分類がありますが、おおよそこの3つになります。

「植物油」は身体によく、「動物油」は身体に悪い。
そういうイメージが持たれていました。しかしそうではなかったのです。
これまたおおざっぱに表現すると…


←炎症しやすい
  植物油 > 動物油 > 魚の油
               炎症を抑える→


こういう関係にあると言います。
「サラダ油」「マーガリン」等は種類としては上記の中での「植物油」に分類されます。
つまり「植物油は身体に悪い」が本当の話なのです。 ※もちろん例外はあります!

どんな油にどんな影響があるのか、または炎症を抑える働きがあるのか。これを大まかに数値で表した指標もあります。植物油の中でも「しそ油」なんかは優秀で、「魚の油」と同様に炎症を抑える働きがあるとされていたりします。(しかし、しそ油は熱にかなり弱く、火調理には向きません)

そして、一般家庭にサラダ油が普及していき、しばらくしてアトピーを持つ子供が増加しました。こういった所に関連性があるのではないか、という研究があるそうなのです。
クローン病もここに原因があるのではないか、というアプローチがこの「油」の話になります。

クローン病は日本において、戦前には存在しなかったとする話もありますが、単純に発見できなかっただけなのかもしれないし、本当に食文化が影響してしまったのかもしれないし、未だにその原因は不明です。

ちなみにオリーブオイルは植物油ですが、比較するとけっこう炎症を起こしにくい油とされています。僕がクローン病になってから、実家の油はオリーブオイルになりました。高額ですが、サラダ油の危険性を考えて、僕に家族が合わせてくれたのです。オリーブオイルだと料理がおいしくなりますしね。

ちょっとゴシップ的ですが、一昔前は「テレビ」でも植物油は健康に良い!とキャンペーンされていたりしました。その後、そのキャンペーンが間違いであり、それどころか身体に悪影響を及ぼす事がわかるとひっそりと姿を消す事になります。特にそれを打ち消す、訂正するような動きはありませんが、一つの油断ならない影響のようにも思えます。
そもそも、植物油、動物油という分類が間違っているのだそうですが。
関連記事

テーマ : 日記
ジャンル : 日記

コメントの投稿

非公開コメント

No title

最近、食に関する判例を触ったから軽く法律に触れながらこの文章を考察してみる。

罪刑法定主義国家の日本においては、食に関する法律とは「販売の為の採取等、販売に関して原則禁止」程度でしか見受けられず、食うのは自己責任といった感じ。そもそも「食べるのは自己責任」とか言う話は当たり前すぎるので論議する事すら意味が無い。
日本はそこらへんの暗黙の了解がきちんとしている部分が大きい。
自分の身は自分で守る。ここらへんアメリカとは大きく違う点だ。
何か自分の身にあったら人のせいにして裁判を起こしまくる状況では無い。
「こうしろ!こうあるべきだ!」という概念を押し付け、違法であっても沢山の奴が危機感を持たず違法行為をしており、そういった社会的な部分をたまに見せしめで数人裁いて国民をびびらせつつバランスを取っているのが日本国家である。法治国家。

トラスクはクローン病で、食いたいものも食えない状況なのはわかる。
他にも、手足が無い人だって居る。やりたいことがあっても暇がなくてできない人、沢山いる。

それと何ら変わらない立場なのではないか?

その「したい」「やりたい」と思う事を、知った事が自分にとっての罪であって、欲望の奴隷となると捉えるのか。→ネガ

そのやりたい事が出来ない事で、自分は今やっている事に夢中になれるという機会であり、他の分野に力を注げられるじゃないか。→ポジ

セックスしたいけど彼女いない。じゃあオナニーするか。→妥協

トラスクは考えを一極に絞ろうと頑張っているようだけど。
主に3パターンくらい考えたらいいんじゃないのかなと。
適当にユーモアを含みつつ、人を惹きつけるような文体で推敲入れつつもね。
俺は発言する事は一つに絞っている事が多いけど、大体、何個もパターン思いついている場合が多い。
だからネットで自演こいたり人を使ったりしてネットで論議している。
結局お前は何が言いたいんだよ、とはよく言われる。
極論言えば反応を楽しんでいるんだよ。
結局俺自体はどうでもいいと感じてる場合が多いしね。

話変わるけど

結局、人がどういう状況とか関係ねーんだよ。
発言は発言でしか意味を成さない。発言の内容を重視するんだよ。

そいつがどういう人間なのか理解する事は相手が納得するかどうかの判断材料になるだけ。

トラスクがクローン病っていう説明がなければこの文章はどうなっていたのか?
それに俺は興味がある。

病気を背負う意味は大きい。しかし気持ちだけでも手放し、気持ちだけでも普段の健常者にタイピングする時はなりきってみてはどうか。

結局、何の話だったのか忘れた。
俺は話にまとまりが無い。
結局、俺は考えなんか定まってねーわけだ。

マクドが無くなろうと俺はどうでもいい。←これ重要。この感情を無くしてはいろんな考えは生まれない。

まぁ代わりを探すだけだしな。

どうでもいいと思っていらん概念無くすだけで物事を多感的に受け取れると俺は思ってる。
応援中!
検索フォーム
プロフィール

Trasque

Author:Trasque
特に何かの専門家ではありません
「生命力」という言葉が好きです
生きる事を考えたい年頃です

リンク
RSSリンクの表示
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。